Mom support

~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~

 

お産でいちばん大事なこと。それは母体の無事と赤ちゃんの無事誕生!

言うまでもありませんね。でも、この当たり前は、そうカンタンなことでは、ありません。母児無事を手に入れるためには、お産前の妊娠期間中のセクション(期間)がキモなのです。

 

卵子と精子が合体して、 1個の単細胞となった受精卵。

それを妊娠37週までは子宮の内において、外の世界で生活できる、ちょうどいいところにまで育てる――。        

「妊娠セクション」の目標は、「37週まではお腹の中にいて、2500g以上の体重」「胎児元気、お母さん元気」この目標を達成したら、次の「お産セクション」へのパスポートを手に入れたようなもの。

このパスポート入手方法については、また別の機会や、外来での健診の時にじっくりお話するとして、

今回は、パスポートで入国する「お産の国」、「分娩セクション」について、話したいと思います。

 

お産は、お母さんと赤ちゃんと家族と、小川クリニックとの共同作業

いまや、多くの女性が、一生に1度か2度しか体験しない「お産」。この貴重な経験を、有意義なものにしたい。

母児無事に乗り越えたい――。だれもがそう願うでしょう。

でも、「無事」は、夢見るだけで、実現できるものではありません。お産は経過がとても大切。”無事出産“のためには、

妊娠中の経過をふまえた上で、分娩の経過を理解して、

臨んでいくことが重要なのです。赤ちゃんを、できるだけラクに、外の世界に導いてあげること。  お母さんを、できるだけラクに、お産できるように導くこと。そして、お産が終わったときのお母さんのダメージを、できるだけ少なくおさえること。それが、私たち小川クリニックの役目だと考えています。

同じパターンのお産は、1つもありません。あなたのお産は、あなただけのパターン。一人ひとりのお母さんとじっくり向き合い、一人ひとりの赤ちゃんをじっくり診る。お母さん、赤ちゃん、そしてその家族と協力して最善を尽くす――。お産は、「お母さん」「赤ちゃん」「家族」「小川クリニック」、この四者の共同作業なのです。お産は命にかかわるものだから、タイミングを逃さず、的確に判断し行動する「お産セクション」で重要なのが、タイミングです。どういうとき、どの瞬間に、何をするべきか――。産科医は、状況を的確に判断して、そのときどきで、もっとも効果的な手を打たねばなりません。タイミングを見誤れば、母体も赤ちゃんも、必要以上に苦しい思いをすることになるからです。お産は、一人ひとりに違う流れがあります。その流れを見ながら、必要なときに、必要最小限の医療の手を差し伸べていく――。早すぎても遅すぎてもいけない。少なすぎても多すぎてもいけない。お産は、ときに命にかかわります。そこで求められるのは、タイミングを逃さず、状況をつかんで的確に判断し、素早く行動することなのです。
 

お母さんと赤ちゃんのタイミングを見極めて、安心で安全なお産

 たとえば、分娩が始まるとき。胎児が出てくる産道(頸管)の状態がお産のどういう段階にあるのか。お産に向かって、変化をしてきているのか、そうでないのか、しっかり見極める必要があります。胎児が「もう外に出たい」お母さんの体が、「もうこれ以上、おなかにいてもらっても困る」この両方の共同作業から、さまざまなホルモンが出てきて、出口である産道の様子がどんどん変化していきます。それまでは早産にならないように、しっかり閉じていた子宮の出口が、しだいに柔らかくなり、カタチが変わり、出口が開いてきて、赤ちゃんが外の世界に向かって下りてくる――。 固く閉ざされた関所の門(頸管)が開いて、通り道として完成したときに、陣痛が起こってくる――。この自然の流れでお産が始まるのです。しかし、いつもこの通りに、事が進むとは限りません。37週未満、赤ちゃんがまだ外に出てはいけない時期に、関所である子宮の出口(頸管)が緩んでしまうと、早産の危険性が出てきます。逆に37週を過ぎて、正期産の時期になって、赤ちゃんはもう外に出たい、陣痛もついて来ているのに、出口が固く閉ざされたままだと、赤ちゃんも母体も、辛い思いをすることになる――。 こうした一人ひとりの母体の状態、胎児の状態を的確に診断し、タイミングをつかんで、必要なときに、必要なだけの医療の力で導く――。これができれば、赤ちゃんの負担も、母体の負担も少なく済んで、母児ともにラクなお産に向かうことができるのです。

 

お産はオーダーメード。自然への敬意を持って、医療技術を使う

お産をうまく進めるための、医療技術はいろいろあります。陣痛促進剤、頸管熟化法、帝王切開、無痛分娩……。しかし、どんなにいい医療技術でもタイミングを無視して、使い方を誤れば、逆効果。 人工的に難産をつくってしまうことにも、なりかねません。人智を超えたところにある、お産。女性だけに備わった神々しいまでの自然の力に敬意を払うことを忘れてはなりません。そのうえで、一人ひとりのタイミングを見極めて、最善の選択をする――。

お産はオーダーメード。一人として同じお産はないのです。

 

互いの信頼と努力で、かけがえのないお産。幸せ育児への扉を開こう!

お母さんは、自分と胎児だけに訪れたお産の流れ、タイミングを大切にするお産ができたときに、最も充実した、かけがえのないお産、安心で安全なお産ができるのです。さらに胎児も患者さんです。そこに、みんなが寄り添っていく――。お産は、「お母さん」「赤ちゃん」「家族」、そして、「小川クリニック」との共同作業――。この意味が、少しおわかりいただけたでしょうか。どうぞ、互いの信頼と努力を積み重ねて、いっしょに、「あなただけのすてきなお産」をめざしましょう。そして、“幸せ育児”への扉を、小川クリニックでいっしょに開きましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

年明けに『胎動ってなんでしょう?その疑問とフシギNo.2』の公開を予定しております!