漫画でみる大切な妊娠・出産の知識Q&A Mom support
【Vol.4】胎動ってなんでしょう?その疑問とフシギ(No.4)☆彡横浜戸塚から発信
無料 メッセージ公開中
横浜・戸塚の産婦人科・小川クリニックから
妊婦さんへ 知識のプレゼント
~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~
体の回転運動
15~20週になり羊水量が増えてくると、子宮内部で胎児が動き回れるスペースが広くなります。羊水量の増加に伴って大きくなってきている子宮内のスペースに比べると、この時期の胎児はまだ小さく自由に体を動かし向きを変えることができます。骨や筋肉も徐々に発達していき、飛んだり跳ねたり、背筋を伸ばしてみたり、あるいはクルリとでんぐり返しのような回転運動もできるようになります。お母さんはお腹を蹴られたと感じるかもしれませんが、この時の胎児はまだキックではなく、クルクル回転運動をしたはずみで体全体で子宮壁にぶつかったときの感覚かもしれません。胎児の体当たりが増えてくると、お母さんが胎動として自覚できる頻度も高くなります。
関節の曲げ伸ばし
首や胴体の関節の曲げ伸ばしは、超音波検査で胎動が確認できるようになる8~10週には始まっています。一方、手足のほうは、12週ぐらいから手や足の骨が長く伸びてきて、その後それぞれの関節が形成され14~15週ごろから関節の曲げ伸ばしができるようになります。胎動が活発になっていく20週から30週にかけては体中のさまざまな関節を動かせるようになり、全身運動が盛んになる31週以降には、手足を曲げたり伸ばしたり蹴ったりするばかりでなく、パタパタと連続して動かす運動や体をねじるような動きも見せるようになります。
指しゃぶり
健診時の超音波検査で、よく「今、赤ちゃんは指しゃぶりをしているのかもしれませんね」と言われることがあります。 実際、20週以降になると、胎児が手や指を顔の前までもっていくような動作をするのを頻繁に観察できるようになります。しかし、本当に口に入れた指をおしゃぶりしているかどうかは、残念ながらまだ証明はできません。26週ごろには五感が備わってきます。なかでも、触ったときの感覚がよく発達するので、手や指で顔や口、あるいはへその緒や子宮壁を触った感触に反応しているのかもしれません。
羊水の飲み込み
羊水を飲み込むことは10週くらいから始まっています。その後、羊水を口や鼻の中に吸ったり吐いたりする運動を確認することはできても、実際にゴクリと飲み込んでいるかどうかは、超音波検査で見ることはできません。胎児が羊水を飲み込んでいるかどうかを実際に確認するには、超音波画像で胃袋と膀胱を映し出しみる必要があります。羊水が口から食道を通ってきちんと胃袋に入っていれば、羊水のたまった胃袋は超音波画像で鮮明に映し出されます。また、羊水を飲み込んでいれば結果として尿が作られますから、尿がたまった膀胱も鮮明に映って見えるのが通常です。そして羊水量の測定値も重要な意味を持っています。実は、中期以後の羊水の成分の多くは胎児の尿。きちんと羊水を飲み込んで尿として排出できていれば、羊水は一定の量が保たれ、急激な減少や増加は起こりません。その週数の正常範囲の羊水量が測定できれば羊水を飲み込んで排尿していると判定することができます。
赤ちゃんの表情を4D(立体画像動画)で見ている時に指しゃぶりの様な動作をしたので静止させた3D(立体画像写真)です。しゃぶっているのはどこの指でしょう。
※内容は、これまで発表した学術論文や妊婦さん向けの雑誌などに執筆した元原稿からまとめました。