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【Vol.5】胎動ってなんでしょう?その疑問とフシギ(No.5)☆彡横浜戸塚から発信
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横浜・戸塚の産婦人科・小川クリニックから
妊婦さんへ 知識のプレゼント
~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~
眼球運動
眼球運動ができるようになるのは妊娠中期以降です。ただし、超音波検査で眼球の動きを観察できるようになるのは、妊娠後半期に入ってからになります。そのころの胎児は、20分くらいのサイクルで寝たり起きたりのような状態を繰り返しています。おとなしく寝ているように見える状態のときに超音波検査で眼球を観察すると、胎児にも大人と同様にレム(急速眼球運動)とノンレム(緩速眼球運動)2つのパターンを示す時期があることがわかります。
あくび
胎児のあくびのような運動は、あごの関節の動きです。口をパクパクと開けて動かしている様子が20週くらいから観察できますが、まだ頭蓋骨が小さいのでなかなかわからないことが多いようです。口を開けているのがもっとはっきりわかるようになるのは、普通30週に入ってから。ただし、実際はあくびをしているのではなく、羊水を飲んでいるときの動きではないかと考えられます。出産が間近になる37週以降は、口をもっと早く動かして舌を出しているように見えることもあります。
呼吸様運動
胎児は羊水の中にいるため、肺で呼吸は行いません。しかし、胸郭や横隔膜を規則的に動かして、あたかも肺呼吸しているかのような運動をしています。この動きは、妊娠中期以降に超音波検査で確認出来ますが、お母さんが感じることはできません。実は呼吸様運動の有無は、胎児が元気かどうか判断するうえで最も重要なポイントの一つに挙げられています。胎児の健康状態が悪化した場合に、超音波検査で調べると何よりもまずいちばん明確に低下するのが呼吸様運動だからです。陣痛が始まっていない段階で呼吸様運動が見られないときは、赤ちゃんが元気と言えないことも疑われるので、NST(ノンストレステスト)と他の超音波所見と併せて判定していきます。
手を握る動き
20週になる前から、手を握る動きは観察できるようになります。手を握りグーの形にしたり、開いてパーの形にしたり、その動作の途中でチョキに見えることも。手を握る動きや関節を曲げる動きは、胎児の筋肉の緊張を表しています。これは胎児が元気でないと行いません。元気でなくなってくると筋肉は緩んでしまうため、手を握ったり関節を曲げたりする動きは困難になります。手を握る動きを確認することで、胎児が元気かどうかもチェックしていきます。
しゃっくり様運動
胎児のしゃっくり様運動は、実際に横隔膜がけいれんして起こる本来のしゃっくりであるかどうかはわかっていません。この動きは妊娠後半期になってから見られます。胎児は31週になると、複雑な全身運動ができるようになります。大人が突然しゃっくりをしてしまう時と同様に、胎児もいきなり体を反らすような動きや、胸郭や腹部を規則的に素早く動かすような動きをすることがあります。胎動が連続して起こるので、お母さんは自身が知っている感覚にダブらせて胎児がしゃっくりをしていると感じているようです。
胎児は、成長にともなう神経系(脳など)の発達と体の発達により週数によって動きが変わってくることをわかってもらえましたか。 またお母さんが感じる胎動と感じない動きがあることも理解してもらえたでしょうか。 知っているつもりで、実は知らなかったことがありませんでしたか。
胎動には、赤ちゃんからのメッセージが込められています。話のできない赤ちゃんからのメッセージを受け止めてあげてください。私たちにとって、胎児も患者さんなのです。 お腹の内にいる間も、胎児それぞれの個性を考えながら皆で守ってあげたいと考えています。
お母さんも参加して胎動を知る胎児の元気さを推測する方法もあります。こちらは説明することも多いので外来でお話ししましょう。
顔の動きを4D(立体画像動画)で観察中に鼻の穴をふくらませ口を開けたり閉じたりパクパクと動かしているところを静止させて撮影した3D(立体画像写真)です。 舌を動かしているのも見えました。
ちなみに、お父さんそっくりでした。
※内容は、これまで発表した学術論文や妊婦さん向けの雑誌などに執筆した元原稿からまとめました。