漫画でみる大切な妊娠・出産の知識Q&A Mom support
【Vol.7】【Q】安産型のお尻ってどんなお尻なの?安産型でなかったらどうしたら良いの?☆彡横浜戸塚から発信
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横浜・戸塚の産婦人科・小川クリニックから
妊婦さんへ 知識のプレゼント
~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~
【A】よく、お尻が大きいと安産とか、腰骨が張っているから安産だとかいわれますが、安産型かどうかを決めるのはお肉がついたお尻の形ではなく、お尻の内にある骨格である骨盤がどんな形かによります。人の顔はそれぞれ異なっています。お尻の形も1つとして同じ形のものはありません。それは、顔と同じようにその内にある骨、すなわち骨盤の形が異るからなのです。 骨盤は体を支える要であり、内臓や子宮を包んで守る器でもあります。そして、その内側は、骨産道呼ばれる、赤ちゃんの通り道になります。ここが広ければ赤ちゃんはスムーズに通れる可能性が高くなります。逆に、ここが狭いと赤ちゃんが窮屈な思いをすることになるのです。骨盤の形はお産がスムーズに進行するかどうかを左右する大きな要素なのです。 安産型かどうかを見極めるポイントは3カ所あります。 「骨盤の入り口」「内側の通リ道」 そして「出口」です。 まずは、「骨盤の入り口」について説明します。
骨盤を上から見てみましょう。骨盤の入り口は円型だったり、横に広かったり、縦長だったり、人によってさまざまな形をしています。女性の半数近くが円型です。次に多いのがハート型。そして、縦長型、扁平型と続きます。 このなかで、赤ちゃんがスム-ズに通れることが多い骨盤は円型とハート型です。なぜなら、入口のスペースが広く赤ちゃんの楕円形の頭がスムーズに入りやすいからです。縦長型や扁平型の人の場合は、円型とハート型と比べると、赤ちゃんが通る有効なスペースが狭くなります。そのため赤ちゃんにとっては、比較的通リづらいといえます。
次に、骨で囲まれた「骨盤の内の赤ちゃんの通リ道」について考えてみましょう。 骨で囲まれた道(骨産道といいます)は、カーブしていて赤ちゃんはこの内を通って下りてきます。 自動車でカーブを通っていくのを想いうかべて下さい。入口を通リ、カーブの道が同じ幅だったり内へ入るにつれて広くなっていれば通りやすいでしょう。 しかし、入口を入ってもカーブを通っていくにつれて道が狭くなってきたら通るのが大変、さらに狭くなっていったら通れなくなりませんか。この状態は、恥骨と仙骨の端を結ぶ骨髄の入り口の線と仙骨の角度によって決まります。仙骨の型も大きく関係します。この角度が90°より大きければ骨産道内は広くなります。90°より小さければ狭くなってしまいます。この下へ行くにつれて狭くなっていく形の骨盤を「ロート型の骨盤」といいます。 そう、理科の実験で使った「ロート」です。
そして、最後の「出口の部分」です。骨盤を下から見たとき、恥骨が左右から合わさって開いている部分の角度がポイントになります。恥骨が合わさった部分の角度が大きいほど恥骨の近くを通ることができ、最短の距離で出られることになります。 恥骨の合わさった部分の角度が小さいと、恥骨から離れた経路を通るので遠まわりしないと出られないことになり、スムーズに分娩が進行しないことになります。
骨盤もただ大きいだけじゃダメで、安産のためには、骨盤のカタチや骨盤を形作っているそれぞれの骨が構成している角度がたいせつです。 でも、骨盤のカタチをいまさら変えることはできません・・・。だとすると、赤ちゃんを楽に外の世界へ導いてあげるためにできることはないのでしょうか? できることはたくさんありますよ! それは出産時にいきみ上手になること。骨盤のカタチや構成する骨の角度によって、効果的にいきむ方向が違うからです。有効な力の入れ方、力をかけていく方向など、どういきんだらいいか、出産前から小川クリニックではアドバイスします。妊婦自身も、できるだけ落ち着いて、どんな方向でいきむのがラクにお産を進めるのか、赤ちゃんに負担が少なく外の世界へ導けるのか理解して、イメージトレーニングをしてみましょう。ただ、ガンバッテいきめば良いというものではありません。骨盤のカタチが百人百様なら、有効ないきみ方も力を入れる向きも百人百様なのです。また分娩の経過中にも変わってくるのです。これらは、無理にX線写真※を撮らなくても、経験豊富な当院のドクターなら推定するこができます。そして、安産のためには、骨盤の中にある軟産道(子宮頸管や膣、外陰部など)のコンディションも重要。この話は、また別の項をもうけて説明します。 ※骨盤のX線写撮影:グートマン法、マルチウス法、C・サスマン法などがあり、組み合わせて判定します。必要な場合は撮影を行います。
超音波写真の色は変えられるのを
知っていますか?
白黒でもピンクにも黄色にも茶色にもできます。
超音波写真がカラーと言っても実際の胎児の色ではありません。色は調整して、変えられるのです。
骨盤の内へ頭が下がってくると、
このお顔が見えなくなってきます。
※内容は、これまで発表した学術論文や妊婦さん向けの雑誌などに執筆した元原稿からまとめました。