漫画でみる大切な妊娠・出産の知識Q&A Mom support






【Vol.8】【Q】楽なお産(安産)に軟産道(膣など)は関係あるの? 妊娠と子宮の変化はどうなっているの?☆彡横浜戸塚から発信
無料 メッセージ公開中
横浜・戸塚の産婦人科・小川クリニックから
妊婦さんへ 知識のプレゼント
~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~
【A】妊娠前の子宮の大きさは、縦の長さ約7cm、横の長さ3~4cm、壁の厚さは、約1.5~2cm。鶏の卵を少し平たくしたような形と大きさです。重さは、約40g強。それが、妊娠後期になると、長さや幅は約6倍。重さは、約20倍になります。
容積は、というと妊娠前の2~3mlから、4000~5000mlに。なんと2000倍から2500倍にもなります。子宮の体部は筋肉でできており、その筋肉は、人間の体の中で1・2を争うほど伸縮自在で、出産時には、長時間の陣痛に耐えて頑張れる、疲れにくいタフな種類の筋肉です。
子宮頸管の赤ちゃんが外界へ出てこられる準備が整ってから陣痛がつくのが、自然で無理のないタイミングで自然の流れです。 以前の項(NO.6)で書きましたが出産が近づくと硬く閉じて関所の役目をしていた子宮頸管は柔らかくなり、短縮し、薄くなって赤ちゃんの通り道に変身します。十分に頸管の状態が熟し赤ちゃんが通れる道に変身したところで陣痛が始まるのが、自然で無理のないお産の流れのタイミングなのを思い出して下さい。 そして、陣痛の開始とともに、赤ちゃんは下降していき、産道を下へ下へと進んでいくのです。
産まれるときは、膣も子宮もひと続きのカーブした筒の様になります。
妊娠すると、膣にも変化が現れます。膣の筋繊維は肥大して、弾力性のある繊維も増加し膣の輪状3層構造の筋肉は厚くなります。そして膣の内腔はだんだん広くなっていきます。ホルモンや上方からの圧力により膣粘膜も厚くなり、しっとり柔らかくなって、出産に備えていきます。赤ちゃんがいよいよ出産となるときには、子宮頚部が進展して伸びて広がっていき、輪状のフチになって残っていた部分も消えて子宮の出口から子宮頚管、膣までがひと続きの円筒形の筒状になって赤ちゃんの通り道となります。
その筒は、骨盤の形にそって膣の出口の部分へとカーブしていきます。 他の哺乳類は、人のような強いカーブをしていません。このカーブの状態が、人のお産の進行を特徴づけています。この骨盤の内にある軟かい組織に囲まれた筒状の通り道を軟産道といいます。
軟産道を取り巻く骨盤の内側の、骨盤の底の部分をささえている組織の硬さ、軟かさ、強さにも個人差があります。それの、硬いタイプの人や、伸びの良くない人、浮腫(ムクミ)が強くでて膣の内径がムクンデ狭くなっている人や、お肉が付き過ぎて狭くなった人のお産は、赤ちゃんが通る時の産道の抵抗が大きくなるので、お産の進行は難儀することが予想されます。 妊娠中のむくみや、体重増加をコントロールすることによりこの抵抗を減少させることができ、赤ちゃんを外界へ楽に導く為の、妊娠中の自分自身の体調のコントロールはとても大切なのです。また、膣が狭くなったり、むくんだら膣の裂傷も大きくなりやすくなります。
このカーブした筒をいかにまっすぐにして、曲げたりねじったりしないで赤ちゃんを通してあげるかが大切です。詳しくは、お産が近くなったらお話しましょう。 お産で赤ちゃんが生まれ、胎盤が排出されると、お産直後に子宮はいったん、おへそのした、指3本くらい下まで強く縮みます。
子宮の内側に向かって開いている血管を縮んだ子宮の筋肉がギュッと引き締めて、出血が多くなるのを防ぎ止血していくのです。それが数時間後から、子宮底はまた上昇して、おへその位置くらいまで戻り、あとは日を追って、少しずつ、小さくなり、約6~8週間かけてほぼ妊娠前の大きさに戻っていきます。全開大(約10m)まで開いた子宮口、子宮頸管も産後3日目には、指2本が入る程度、産後14日目頃には指1本がかろうじて入るか、というほどにまで閉じて形も筒状にもどっていきます。
また、子宮が回復するときに出る分泌物が、悪露(おろ)です。
主に子宮内に残った血液や卵膜のカスや胎盤がはがれたあとの小さなカスや子宮内のちいさな傷からの分泌物で形成され、お料理の「煮こごり」の様になって血液成分などがゼリー状になり固形成分を固め含めて出てくることによりカスを子宮外に排出します。血の色から褐色、黄色、白色となって量も減り、4~6週間でなくなっていきます。この子宮の復活がうまくいかないと、悪露の量が急に増えたり、黄色くなっていたものが再び赤くなったり、と量や色に変化が現れます。また、少なすぎる場合も問題があることがあります。悪露は子宮回復のバロメーターになります。 産後の子宮は6~8週間かけて、元にもどっていきます。
皆さんの気になっている性別 見ればわかりますよね?
※内容は、これまで発表した学術論文や妊婦さん向けの雑誌などに執筆した元原稿からまとめました。