漫画でみる大切な妊娠・出産の知識Q&A Mom support






【Vol.11】妊娠と風疹について☆彡横浜戸塚から発信
無料 メッセージ公開中
横浜・戸塚の産婦人科・小川クリニックから
妊婦さんへ 知識のプレゼント
~当院の60年に渡り培われた妊娠・出産の経験を元に、 スムーズなお産(安産)はどうすればできるかを
わかりやすくお伝えします。 すぐにでもタメになる内容が盛り沢山です!~
【Q】妊娠中の風疹はなぜ恐いの?
【A】風疹-。赤い発心が全身に出る。口の中に赤いポツポツができる。熱が出る。リンパが腫れ る(特に耳の後ろや後頭部など)… …と言われています。 しかし、そのような症状が出ていなかったとしても、安心できません。大人がかかった場合 は、感染していながら無症状ということもあるのです。(無症状の感染=不頸性感染)
一般的に妊娠可能な女性の約15%もが、風疹の抗体を持っていないと言われています。 抗体のない女性が、妊娠中の前半にこの風疹に感染すると、胎児に影響が出てしまうことが あるのです。
おなかの赤ちゃんへの影響
妊婦の感染が、胎児に感染して起こるトラブルを、先天性風疹症候群といいます。赤ちゃんは生存しますが、心臓、目、聴力、脳、神経などさまざまな部分に影響が発生する可能性がでてきます。これが先天性風疹症候群のこわいところです。障害の発生率は、妊娠4週までに感染した場合が約61%、5~8週26%、9~12週8%と言われています。妊娠6ヶ月(20~23週)の中盤を過ぎてからの初感染では、あまりトラブルは起こりません。風疹は、とくに妊娠中の初期が要注意期間なのです。
原因と予防法
病原体は風疹ウィルスです。せきやくしゃみなどで飛んだウィルスが、体内に入ることで感染します。抗体を持っていない妊婦は、妊娠6ヶ月の中ごろまで、ひたすらに風疹にかからないように心がけます。風疹を予防するのは、同時に風邪やインフルエンザやコロナの予防にも効果的です。
☆風疹・風邪などの疑いのある人に近づかない
☆できるだけ人ごみに出て行かない
☆外出時にはマスク着用
☆こまめなうがい、手洗い
☆人と話しをする時は距離をとる
☆換気に注意
☆お茶やガムなどで、いつものどを湿らせておく
☆車や家のエアコン、ヒーターの風に直接当たらない
☆体調を整えて、ウィルスに負けない抵抗力を作る
抗体検査
「風疹にかかったことがある」とか「風疹のワクチンを打った」などの記憶はあまりあてにできません。子供の頃にかかったのが本当に風疹だったのかどうか…抗体を持っているのかどうか…。血液検査が行われていなければ確定できません。ワクチンを打っても抗体ができにくいタイプの人もいます。抗体があるかどうかは、できるだけ早い時期(妊娠8~12週ごろまで)に、血液をとって抗体検査をして確かめる必要があります。本当は妊娠前に検査しておくのがベストです。検査結果は、抗体価といって、8倍を最低基準に、その倍数、16倍、32倍… …で示されます。
[8倍未満]
現在まで感染していません。または、感染したことがあっても抗体ができていません。免疫が無いので、いつ感染するかもわかりません。感染しないように注意しながら生活をすることが大切です。妊娠4ヶ月までにもう一度検査することもあります。
[8~256倍未満]
過去に風疹にかかったと確実にわかっている人や、かかった記憶は無いが以前に検査して抗体が高かった人は、すでに感染したことがあり、ワクチンを打った人も抗体を持っていると考えます。ただし、抗体が少なかった人は再感染することがあります。最近かかったかもしれないと心配な方や抗体が少ない方は、再検査を行います。医師の説明を聞きましょう。
[256倍以上]
一概に言えませんが、感染の可能性があります。IgM抗体検査など精密検査もして、それが最近の初感染なのか、以前に感染したのか、慎重に判断します。感染したのが、比較的最近の可能性が高ければ、胎児への影響が心配になります。さらに詳しい検査などを行って、胎児への感染の可能性があるか調べることもあります。
妊娠前にワクチン接種をして抗体があれば安心
妊娠中にワクチンを打つことはできません。まし、あなたが妊娠前なら、すぐに抗体検査をしましょう。抗体がなかったらワクチンを打ち、1ヶ月後くらいに抗体ができているかを確認します。ワクチン接種後は、2、3カ月避妊します。妊娠前に抗体を作っておけば、心配しなくてすみますね。
妊娠中に体調を崩したときは、産婦人科へも連絡
妊娠中に調子が悪い時は、内科にかかるだけではなく、産婦人科へも連絡しましょう。妊娠中は、薬の服用に気を付けなければいけませんが、薬をむやみに避けて症状を悪化させるのも問題です。内科から産婦人科へも相談していただければ、より適切な薬を処方するサポートができます。薬が出された場合は、やみくもに避けるのではなく、有用性と副作用の説明などをきちんと受けて、納得して服用しましょう。
風疹などについても外来受診時にご質問いただけます。電話での、顔の見えないご質問は正しい理解ができない場合があるのでおすすめしません。また、抗体の無い方・少ない方は、産後にワクチンを打つことをお願いしています。これは、産後に「無症状の感染」になり他の妊婦さんへ移してしまうのを防ぐ為です。正しい理解をしておくのが、赤ちゃんを守るために大切なのです。
※内容は、これまで発表した学術論文や妊婦さん向けの雑誌などに執筆した元原稿からまとめました。